プラス卵

卵の殻について

殻

中身を守るためだけにあると思われがちな卵の殻ですが、ただ固い物質で中身を守っているわけではありません。微生物や汚れの進入を防ぎ、ヒナの呼吸や湿度が適正に保たれるように複雑で繊細な仕組みで作られています。卵の大きさにも色々なものがありますが、厚みや色にも様々な種類があるんですよ。


卵が殻に包まれるまで

鶏の体内では、卵の一番内側にある卵黄部分から作られ始めます。そのため、一番外側を包んでいる卵殻は、一番最後の工程で作られています。まず初めに、卵巣内で成熟した卵胞が漏斗に放出され卵管に入ります。この卵胞が卵黄になります。卵管に入った卵黄は、卵白分泌部で卵白に包まれる形になります。その後、峡部(きょうぶ)と呼ばれる部分で卵白の周りに卵殻膜が作られ、子宮にたどり着きます。子宮粘膜からはカルシウムが分泌され卵殻膜の周りに付着して卵殻となり、排泄腔から排出される際クチクラ粘膜が卵殻の周りを包み込みます。

殻と中身

色と栄養の違い

市販されている卵の殻には、白いタイプと赤みのかかった褐色のタイプの色があります。褐色の殻のタイプの卵黄は、白色の殻の卵黄に比べて色が濃いというイメージを持っている人が多いようです。しかし、褐色の卵を割ってみると白く、卵の内側部(卵殻膜)は白色のものと同じだということがわかります。殻を形成する際の物質には色素成分であるプロトポルフィリンという成分が含まれています。白色の殻にもこの成分は含まれていますが、褐色にはより多く含まれています。殻に色がつくのは、この成分の含有量に差によるもので、中身の栄養や成分とは関係ありません。また、卵が褐色の品種と白色の品種を交配させた鶏は、薄い褐色の卵を産みます。

卵殻の厚みと卵白の変化

卵殻は季節や鶏の年齢、体調によって厚みが変化します。特に暑さのために呼吸数が増え、食欲が落ちやすい夏季は、一年の中でも一番卵殻が薄くなる条件が重なっている時期です。卵殻が薄い卵は、濃厚卵白の中に含まれている炭酸ガスの量が1日約9gずつ減っていきます。濃厚卵白は、卵黄の周りを囲むようにして微生物などが卵黄の中に進入するのを防いでいますが、炭酸ガスが減っていくと濃厚卵白の粘り気が少なくなり次第に消えてしまいます。殻が薄くなることで強度も弱くなるため、卵殻の薄い卵は厚みのある卵に比べるといたむのが早いといえます。

殻の強度とゆで卵

内側の強度

卵が外からの圧力に対して大変丈夫に作られているのは有名ですが、中からの圧力に対しては非常に弱い力で割れるように出来ています。これは、雛の弱い力でもつついて内側から殻をつついて破ることができるようになっているためです。そのため、卵に小さな穴を開けての中身を取り出しても外からの圧力に対する強度はほとんど変わりませんが、内部に水を入れると割れやすくなります。また、殻が水に濡れてしまうと極端に強度が落ちてしまいます。

ゆで卵の殻

ゆで卵を作った時に、つるっと剥くことの出来るものと剥きづらいものがあります。これは卵白の中に含まれている炭酸ガスの量が大きく関係しています。生みたての卵には炭酸ガスが大量に含まれているため、ゆで卵にすると細かい気泡が一気に気孔を通って外へ出ようとします。そのため卵白が気泡にされる形で卵殻膜や卵殻に押し付けられた状態で固まってしまい、殻が剥がれにくいゆで卵になります。また、卵白が熱で固まる間炭酸ガスが出続けることになるため、ゆで卵の黄身には目に見えないほど細かい穴が空いた状態で固まり、スポンジ状になるため、あまりおいしくありません。そのため、少し時間がたって炭酸ガスの含有量が減った卵のほうが茹で卵に適しています。